ふと思い立って日本一周をまた試みてしまった。せっかくだから全都道府県一筆書でもしてみよう。そんな旅路の10日目。またも「移動」はほとんどないが……。番外の沖縄観光編。
※この投稿は以下の投稿の続きです。プチ桜島観光の様子が納められています。それと、忘れそうになりますが全都道府県一筆書移動中です。全都道府県一筆書とは何だろう、と思う人はday1を読んでみましょう。
沖縄美ら海水族館
と、いうわけで沖縄美ら海水族館に来た。先に言っておくと、昨日の夜沖縄に到着して今日の夜には沖縄を発つ予定である。
行ったことがある人なら分かると思うが、美ら海水族館のある本部町(もとぶちょう)は正直言って那覇市からは遠い。どれくらい遠いかと言うと、
これくらい遠い。この距離がどんなものかと言うと大体80kmだ。東京駅から基準で言うとだいたい小田原までの距離である。沖縄本島はそれなりに大きい。この距離を高速道路も走るバスで2時間くらいかけて向かう。
つまり今回のスケジュールは、「今日は1泊2日で東京に来ました! これから小田原に行って帰ってきます!」と言っているのと同じようなものである(であるかは議論の余地がある)。1泊2日の日程にねじ込むような行き先ではないかもしれない。だが行きたかったのだ。
とはいえ、東京小田原間であれば新幹線を使わずとも1時間ちょっとで着くし、新幹線なら30分ちよっとで着いてしまう。ちょっと小田原行ってくる、くらい造作もない……という話は論旨がずれるので書かない方が良いかもしれない。
なお、札幌から苫小牧も大体80kmだが「まあまあ近いかも」感が出てしまうのでこういう話の上では北海道の地名は出さない方が良い。
また、JRの長距離きっぷは距離が101kmを越えると有効期間が2日になって途中下車ができるようになるので、80kmはやっぱりそこまで遠くない距離なのかもしれない。これも今挟むべき話ではなかった。
せっかくのオフ(?)なのだから大人しく市内や近郊をウロウロしておけば良いものの、ここでも大きな距離の移動をしてしまうとは、何か乗り物に乗っていないと落ち着かない病気のようである。
美ら海水族館の話? 良かったよ。少し距離は遠いけど。
海洋博公園
昼を食べる前のことだ。ぼくは「沖縄美ら海水族館は海洋博公園内にあります」という文言の意味するところを痛感していた。
少し時を遡ろう。
美ら海水族館を一通り見終え、11時頃。昼食にしようか悩みながら海洋博公園をぶらぶらと歩いていたぼくはなかなか気になるものに遭遇した。
海洋文化館のプラネタリウムだ。値段が余りにも安い。ぼくが普段行っている名古屋市科学館のプラネタリウムは見るのに800円かかる。ここ海洋文化館は190円だという。これは安すぎる。プラネタリウム好きとしては見に行かねばならぬ。
ただ、プラネタリウムの開始までは少々時間があった。それまでは海洋博公園を再度ぶらぶらし、時間が近くなったら海洋文化館の展示を見て備えることにした。見事なプランと言えよう。
まずは、この地域の「今日の星空」を見る時間だ。昨日今日と天気は悪く、星空は一切見られていないのでありがたい。冬の時期に南で探す星と言ったら、カノープスを置いて他にない。
カノープスはいわゆる冬の星座として認知されているオリオン座、おおいぬ座の下の方にあるのですぐに見付かった。生で見た訳ではないが、沖縄でカノープスを見たという文言に嘘はないので良いだろう。ひとまずは満足だ。
「今日の星空」コーナーの後は、企画のコーナー、「むりぶし」について。「むりぶし」というのは「群れている星」という意味で、実際のところはすばる、即ちプレアデス星団のことを指しているとのことだ。この「むりぶし」に伝わる伝承の紹介が始まる。
「……りましたよ。お客様、終わりましたよ」
おやおや、おかしいですね。むりぶしの伝承はまだですか? 終わった? はてさて。
広大な海洋博公園を歩き回り(その前の水族館でも十分歩いている)、疲れていたらしい。見事にプラ寝たリウムをかましてしまったようだ。家の近くにある名古屋市科学館のプラネタリウムの年間パスポートは3200円とかなりお手頃な金額なのでぼくは持っているのだが、その癖が出てしまった。何しろ年間パスポートがあるなら「もう一回見ればいいか」で済んでしまうからだ(済まない)。
ぼくは恥ずかしくなって逃げるように海洋文化館をあとにした。
……プラネタリウムだけではなく、海洋文化に関する歴史の展示も面白く、入場料もかなりお安いので美ら海水族館に行くならセットで寄るのがおすすめですよ!
忙しい人のための沖縄料理
さて、しっかり昼寝したらお腹が空いたのでお昼ごはんにしましょーねー。
なんと、前日の鹿児島(day9参照)に引き続き、地元料理・食材の数々がぼくのために集結してくれているとのことである。せっかく集まってくれているのだからこの誘いを断る手はないだろう。
分かりやすく地元の料理を摂取させて貰った。これだけのものを例えば居酒屋で食べようとしたら大変な騒ぎになるので弾丸ツアーを計画している人はこういう食事をどこかに入れておくとQOT(quality of travel)がグングンズイズイ急上昇すること間違いなしである。
空港
美ら海水族館のある海洋博公園からは、那覇空港直通のバスが走っている。観光客に対してこれ以上の利便性はない。寝ていてもちゃんと目的地に着くのだから。
フライトの予定は20時頃だったが、バスは17時には空港に到着していた。飛行機となると身構えてしまうので少し余裕を持って到着するように心がけたが故の結果である。
国内線なら結局、チェックイン、保安検査を抜けるなど含めて1時間前には空港に到着していれば出発自体には差し障りがないと分かってはいるのだが。
夕飯を食べて時間を過ごそうにも、昼食をたっぷり食べてしまっていたためすぐには食べられそうもないしコーヒー、という気分でもない。しばらくの間、売店を見たり空港のベンチに座ってぼんやりしたりしながら過ごした。
自分の乗るはずの便に関して案内が入る。使用機の到着が遅れるので出発が30分ほど遅れるとのことだ。他の航空会社の便も大体そのようなアナウンスがされている。中にはいち早く欠航の決まった便もあるようだった。関東地方で降雪しているということなので恐らく、ほとんどが雪の影響だろう。
出発時間の変更も決まり、腹も少し減り始めたのでお夕飯にしましょーねー。
那覇の繁華街の方に本店があるステーキ屋さんが空港に入っていた。Aランチ(お子様ランチのボリュームがすごくなったようなやつ)とステーキ、どちらがいいか店に入る前は悩んでいたが、そもそもここにはAランチはなかった。本店限定なのかもしれない。こうして無事ステーキを選ぶことに成功した。
実はAランチにするかステーキにするかよりも前段で入ろうか悩んでいたお店があった。ファストフード店のA&Wだ。ルートビア(アルコールではない)がなんと飲み放題なのである。ただ、飛行機の搭乗を控えているので水分の取りすぎは控えたいという理由から今回は見送った。決して、ルートビアの独特な風味に臆した訳ではない。
さあ、夕飯も食べたし保安検査をして搭乗に備えるとしますか。
……空港
本来の搭乗時間から1時間が経過したが、ぼくをはじめとする乗客はまだ飛行機に乗れていなかった。細かい事情は分からないが、そもそも使用機自体が遅れて到着しただけでなく、那覇空港に到着する他の便が遅れたりなんだりしてあーもうめちゃくちゃだよー、になった結果本来の搭乗口とは違う場所(かなり離れている)に案内されたりしている。
元々の搭乗口は何も考えずに飛行機に乗れる、建物に飛行機を直付けできるようになっている場所だった。新しく案内された搭乗口はバスに乗って階段を登って飛行機に乗る用のものである。このバスの手配自体も急なことなので手間取っているようだった。
別の搭乗口に向かう途中、他の航空会社の便の欠航を知らせるアナウンスを聞いた。そっと心の中で手を合わせる。それに比べたらまだましだ。
今から宿泊できますか
結局、飛行機は1時間30分ほど遅れて出発し、成田空港に到着したのは定刻の1時間ほど後であった。本来であればJRで空港から脱出しつつ、次の場所(この投稿だけ読むと忘れそうになるが、そもそも全都道府県一筆書を行っている最中である)に向かう予定だったのだが、それも叶わなくなった。
ギリギリ、京成電鉄の終電があったのでひとまず成田駅までは出られた。列車の屋根の上に雪が乗っていたので、「降雪している」という言葉が現象として像を結ぶ。
成田駅に着いてみて、想像よりも規模の大きい降雪だったことに驚く。こんな天気になっているさなか、よくぞ飛行機を飛ばしてくれた。本当は成田駅よりも先に行きたかったけれど、もう成田に着いただけで御の字だ。
さて、今日の最後の仕事が待っている。
「今から宿泊できますか……まじっすか」(day5参照)
まとめ
今日も1県追加で合計30府県を通ったことになる。残り4日で17都道県を通らなければならない計算だ。
明日の移動に備えてしっかり休まねば。
「今から宿泊できますか……まじっすか! セミダブル? 全然いいですよ。お値段が二人で……ってちがーう!! 一人です!」
やはりこうして電話をかけているのは「そういうこと」な人が多いのだろう。勉強になった。
このページをかいたひと:藤盛仁輔
ライター。このサイトでは半年で日本二周したときに訪れた場所についてなどをかいています。