全都道府県一筆書き day4 鳥取島根山口広島岡山香川徳島高知 20211231

ふと思い立って日本一周をまた試みてしまった。せっかくだから全都道府県一筆書でもしてみよう。そんな旅路の4日目。

※この投稿は以下の投稿の続きです。順番に読むと臨場感が増すかもしれません。

鳥取駅

まだ未来は決まっていない

何度目になるか分からない運行状況を知らせるアナウンスの中、ぼくは必死にスマホを手繰って鳥取県から脱出する方法を調べるべく検索を繰り返していた。高速バスもダメならいよいよ鳥取にもう一泊するしかないか……、と諦めかけていた。

大寒波なるものが襲来した結果、この日鳥取駅を発着する全ての列車が運転を一時見合わせることを知ったのは、朝のテレビからだった。元々、乗り継ぎの都合でこの日はゆっくりと鳥取を出発する予定だったので夜はのんびりと過ごし、寝落ちしてテレビがつけっぱなしになってしまっていたがお陰で寝起き一番に情報を得ることができたのである。良い子は真似しないでね。

ホテルでテレビを見ながらインターネットの公式発表も調べてみたが、どうやらぼくの乗ろうとしていた、岡山に繋がる因美線は早々に「終日」運転取り止めを決定したらしい。決まった期限の内に全都道府県一筆書移動を決行しようとしている人にとっては、ルートが潰れされてしまうのは死活問題である。

もちろん、こんなこともあろうかと少しは日程に余裕は持たせてあるので即詰みという訳でもない。もう1泊して、改めて移動すればいいじゃないか、そういう考え方もできる。ただ、気がかりなのが鳥取から西の島根に抜ける路線の運行状況だった。除雪が完了次第運行が再開する、とのことだ。

ただ、再開する目安の時間がよく分からない。こういう時は駅に行ってみると未確定ながらも情報が展開されている傾向がある。可能であれば設けたマージンは本当に使わないといけないときにしか使いたくはない。ギリギリまで足掻いてみよう、ということでぼくはホテルをチェックアウトして駅に向かった。

実際、駅に行ってみると運転再開は早くても12時という情報が得られた。あとはそれを元にルート検索をかけてルート再構築を行うか、一泊するか決めるだけである。新幹線や特急の利用も検討しつつ幾つかのルートを調べるが、どれも余りうまくない。仮に島根に抜けようとも、一筆書の都合上ルート取りはうまくいかない部分が多く、更にその先の列車もやはり天候のせいで運行が不安定になっている。

少なくとも、12時までは運行再開しないと分かったのでせっかくだから観光をすることにしていったん鳥取駅を離れることにした。厳密に言うと昨日の夜鳥取駅を降りた時から観光モード(day1のルール参照)ではあったのだが、改めて観光モードに入ることにした。

鳥取砂丘

ゲームなら完全にダンジョン扱いになる地形

鳥取といえばやはり砂丘であろう。雪の砂丘はどんなもんだろう、珍しいものが見られるかな、そう思いバスで約20分、鳥取砂丘に到着した。

バス停から降り、階段を昇り切るとそこには見渡す限りの砂丘が広がっていた……! と、天気が良ければ感じるだろうな、というロケーションだった。まず、見渡すという行為が不可能だった。

階段の内陸側では普通に雪が降っているだけなのに(それでも吹雪いてはいる)、階段を越えると急にあられが敵意を持っているかのように吹き付けてくるのだ。顔に当たるあられは、怪我をしないくらいではあるものの、とにかく痛かった。人目も憚らず「痛い! 痛い!」と声を出してしまったくらいだ。まさか砂丘で節分の鬼の気分を味わえるとは思わなかった。

1分滞在するごとに体力の1/16くらい奪われそうだったので、正直、砂丘側には3分も滞在できなかった。遮るものもなくそのまま日本海側から風が吹き付ける地形において、荒天時にどういうことになるかを比較的安全な状況で体感できる貴重な場だったと思うことにして、大人しくぼくは鳥取駅に戻ることにした。

解けるパズル

鳥取駅に戻るバスを待っている間も、効率のいい一筆書を考え続けていた。

「ダメだ、そのルートは成立しない」「残りのルート再構築作業入ります」「エアロブレイク発動要請が来ています!」「距離が近すぎる! 到底承認できない!」「くそっ、あそことあそこさえ繋がれば……」「今何と?」「こんなことなら大人しく家でカニを食べているんだった、って」「前過ぎます! 今何て言ったか聞いているんです」「あそことあそこさえ繋がればって」

「……確かに記録には、そことそこを繋いだことが残っています!」「何てこった、そいつが使えればこの戦い、もらったも同然だ。発動可能か至急調べてくれ!」「既にやっています! ……いけます!」「進路、オールクリア」「発進シークエンスに入ります」「発進!」

そういうことか。一筆書を成立させる鍵は既にぼくの中にあったんだ。理論が組み上がればあとは実証するのみだ。まずは駅に行ってキーとなる特急が動くか、聞いてみることにしよう。

要するに昔通ったことがあるルートを完全に忘れ去っていて、こことここが繋がれば完璧なのに…と思ったことがきっかけでそのルートを思い出した、それだけの話である。そのルートは明日、使う。

スーパーおき+新幹線+南風

スゴイぞー! カッコいいぞー!

スーパーおき。遂にこの旅路初の特急解禁である。スーパーおきは鳥取県から島根県を通り越し、新山口駅に到達する。島根側に抜ける列車の運行は13時台から復旧となったようだが、この列車は記念すべき始発である。お寝坊さんね。

実は1乗車5時間オーバーはこの旅最長

今日中に兵庫県を経由せずに岡山県に行くには、これに頼るしかないのである。鳥取から出て島根、山口クリア。

ガンガンズダンダン

そして新山口駅からは新幹線に乗って岡山に向かう。山口から出て広島、岡山クリア。

心描き出す地図上の未知なるフロンティア

岡山まで来たらあとはそう、南風ですね! なんとこの南風、香川、徳島を経由して高知に到達するありがたい特急なのです。ちなみに読み方は「はえ」や「みなみかぜ」ではなく「なんぷう」 。何がありがたいかと言うと、特急を使わずに四国上陸後に一筆書を試みようとしたとき、必ず香川で一ヶ所つまづくところがあるのだけれど、そこをうまーくスルーしてくれるんですねぇ。ありがたや。一筆書を試みている人は参考にしてね。

ばっちり見えるカシオペアとポラリス

列車は四国の真ん中、山ん中を突っ切って走るので電波は余り届かなかった。途中、徳島の大歩危でも雪が積もっているのを確認した。雪の積もった大歩危峽を川下りなんてのもいいな、なんて思いながらうとうとしていたら高知に到着していた。

まとめ

中国四国爆走ノ図

別ルートを開拓したことにより一日に追加で7県通過するというファインプレーをかましてしまった。通ったからなんなのだということは気にしてはいけない。

日本海側で山が見えるロケーションって結構珍しい

12月31日、年の瀬に日本海の夕映えを見たり、

んせんおだゆ!(普通の看板もちゃんとある)

山口線にはやたらレトロな看板があると気付けたり、

これも全部ここを移動しなければ見られなかったもの。まあ他のルートを通れば他のものを見たり食べたり予想外の出来事が起こったりするんだろうけど。

そういうわけでハッピーニューイヤー。明日からは志も新たに一筆書に邁進していく所存です。


このページをかいたひと:藤盛仁輔

ライター。このサイトでは半年で日本二周したときに訪れた場所についてなどをかいています。

タイトルとURLをコピーしました