夢にまで見た松浦アジフライを食べに行った話(うらばなし)

うらばなし

2日目 市場から島(伊万里経由)

2日目 00.出発

松浦2日目の朝、そして松浦を後にする日の朝。2ページをしっかり読んでから来た人はアジフライと関係のない話が続いたので忘れてしまっているかもしれないが、ぼくはアジフライを食べるために松浦に来ているのである。

これもまた忘れられているかもしれないが、前日夜の時点では天候が若干不安だった。海上が時化ってしまうと漁に出られなくなるので新鮮なアジフライの提供がなくなってしまうのだ。

早朝の北斗七星
早朝になるとひしゃくに入ったものは全部こぼれました

朝6時頃に宿を出ると、北側の空には北斗七星がひしゃくをひっくり返した向きで浮かんでいた。ひしゃくの先端の線を5倍くらい延長したところにある北極星や、ひしゃくの持ち手のカーブの延長部分にある、りょうけん座のコルカロリも見えている。

今の天気は悪くなさそうであるが、昨晩の天気はどうだったのだろうか。不安を抱えながら、駅に向かう。始発の次の列車(1両でも列車)が駅で待っていた。改めて、アジフライを求める旅の2日目が始まる。

早朝の松浦駅
始発のような顔をしているが次発である

2日目 01.魚市食堂のアジフライ

魚市食堂入口
魚市食堂入口
魚市食堂内部
魚市食堂内部

天候は良好だったようで、無事アジが入荷していた。入口には貼り紙がある。店内にも、定番メニューの他に、貼り紙でアジフライ定食と貼ってあった。入荷のない日はこの貼り紙が貼られていないのだろう。

魚市食堂のアジフライ定食
魚市食堂のアジフライ定食

フライにありつくことができた。時刻はまだ6時台だ。ここのアジフライは基本3枚らしいが、サイズが大きいアジの場合は2枚になるらしい。この日は大きいアジが入荷していたということだ。

ふかふかで、美味しい。しかも、大きい。これまで食べていたアジフライとは何だったのか、アジフライに対する認識が変わった。獲れたて、水揚げしたて、揚げたて。この3拍子がアジフライにとって重要な要素なのだろう。

(リンク:魚市食堂 紹介ページ)

2日目 01(ex).魚市場にある他のお店

大漁レストラン旬 入口
季節によってはブランドアジの定食がある

魚市場には他の食堂もある。4月~8月には「旬あじ(ときあじ)」と呼ばれる、ブランドアジを使用した定食を提供しているらしい。ここには一度、その季節に合わせて訪れなければならないと誓った。

(リンク:大漁レストラン旬 紹介ページ)(魚市食堂と同一)

2日目 00-01.松浦駅から調川駅、そして魚市場まで

調川駅の看板
日本一の駅。所見では読めない
松浦魚市場
まだ日の出30分前の魚市場

魚市場は、松浦駅の隣の駅、調川駅の前にある。調川は「つきのかわ」と読むらしい。日本一のアジ、サバの水揚げ基地と駅名看板に書いてある。Googleマップの道案内によれば、調川駅から魚市場まで行くには線路を渡るためにはぐるりと回り込む必要があるようだ。

だが。

左下の方に傾斜があって線路の方に降りられる(?)ように見える

松浦鉄道は無人駅も多く、ホームの境界線が曖昧だ。ホームから線路に降りられるような段差が設けられていて、駅の構内で線路を渡れるように見える。果たしてこれを渡ることが正しいのだろうか。なお、列車は1時間に上り下り合わせて1本ずつしか来ない。

魚市場からこちらに向かってくる道はどこにも繋がっていない。線路にぶち当たる。

実際にこの、道ならぬ道を通る人は何人もいたし、駅まで自転車でやってきて自転車を引いて線路を渡っている人もいた。遮断機も何もないところで線路を渡ることは普通に危険であるので、基本的には真似してはいけない。表向きはそう書かざるを得ない。ぼくがこのルートを通ったか通らなかったかは、読んでいる人の想像に任せる。

このルートを使って駅に戻ったかどうかは想像に任せることにして、無事魚市場でアジフライを食べおおせたぼくは調川駅に戻ってきた。そして通勤や通学の人に混じり、次のアジフライを求めて佐賀県の伊万里に向かった。

調川駅に入線する列車
1両でも列車
列車の内装
観光列車風で内装も凝っている。これで通勤通学するのか…。

長崎県から出てしまうことになる。松浦アジフライの話はここで終わりそうだが、もうちょっとだけ、続くんじゃ。

2日目 02.海上屋台のアジフライ

海上屋台三軒屋のアジフライ定食

時刻は14時。朝ご飯のアジフライ定食を食べてから7時間が経過していた。ここのアジフライのアジは定置網で獲れたものらしい。しっかり身がしまっていた。特製タルタルソースは玉ねぎの風味が強くてさっぱりした味わい。味噌汁があら汁なのも嬉しい。

このお店からは、海が見える。それもそのはずで、このお店は鷹島という島にある阿翁浦(あおううら)漁港の中に浮かんでいる。波に合わせて時々揺れるので船の上にいるような感覚だ。

海の上にある屋台
名は体を表す

このお店には他にも漁師飯が数多くあったので、また来たい。また来たいと気軽に書いているが、そんなに気軽に来られる場所でもない。

(リンク:海上屋台 三軒屋 公式サイト)

2日目 01-02.鷹島への行き方

鷹島には、一度長崎県から出て佐賀県の伊万里に入り、そこからレンタカで向かった。途中、伊万里ではアジフライとは関係のない観光をしていた。俗に言う聖地巡礼だったのだが、アジフライとは関係ない上に、別テーマとして書ける内容なので省く。

実は車以外に、フェリーで阿翁浦漁港まで行く事もできる。だが、今回はルートの都合上ロスが大きかったことと、鷹島の中で車がないと行くのが難しい場所に行きたかったのでレンタカーを選択した。

2日目 03(?).道の駅鷹ら島

道の駅鷹ら島外観
道の駅鷹ら島

九州本島と鷹島を結ぶ、鷹島肥前大橋のすぐ近くに道の駅がある。その名も、道の駅鷹ら島(たからじま)。何とも洒落た命名だ。鷹島ではアジよりもフグの方が前面に押し出されている。

そんな、フグを前面に押し出した道の駅でも松浦アジフライを使った料理が提供されている。それはアジフライバーガーだ。少し遅めの昼を食べた後だが、おやつのアジフライバーガーを食べようというつもりでぼくはここに来た。

しかし、残念ながらぼくはアジフライバーガーを食べることができなかったのだ。ご時世の関係なのか、改装工事の関係なのか、アジフライバーガーを提供しているテナントが休業していたためである。

一期一会、逃したアジフライは大きい。残念だったが、この道の駅から鷹島肥前大橋を望む眺めはとても良かったので「よし」とした。道の駅ではフグやマグロなどを売っているので、景色を見て海産物を買って帰る、なんてドライブもいいかもしれない。

(リンク:道の駅鷹ら島 紹介ページ)

おしまい(まとめ)

こうしてぼくの松浦アジフライ行脚は終わった。今回は滞在期間1泊2日だったので、ほぼ松浦アジフライを求める以外のことはしなかった。もう少しゆっくり滞在できるならば、そうしたいと思った。

今回行けなかったお店にも行きたい。アジフライサンドとコーヒーはマストだろう。再訪もしたい。店単位だけではなく、行っていないエリアもある。福島という島でも松浦アジフライを食べられるが、そこにも行きたい。車で乗り付けるか、現地でレンタカーを数日借りるかしてぐるぐる回るのが良さそうだ。

ぼくが松浦に行ってから1年も経っていないのに松浦鉄道でアジフライ列車が走るようになったり、道の駅にアジフライモニュメントが設置されたりと、活動が活発化しているということなので、次回訪れるのが楽しみだ。

おしまいの余談

佐世保から松浦までは松浦鉄道で向かってきた。鷹島まで向かう際の足掛かりとした伊万里まで向かってきたのも、松浦鉄道。そして、次の場所に向かうために伊万里から有田に出たのも松浦鉄道。

松浦鉄道路線図(公式より引用)
引用元:松浦鉄道路線図

結果として3日間かけて松浦鉄道をぐるりと回り、全駅を通ってしまった。松浦鉄道でぐるりと回るだけなら、3時間程度。ちなみに佐世保から有田に行くだけなら30分くらいだそうで。

後日談

アジフライとから揚げの定食
もしかしたら関あじかもしれないアジフライの定食(から揚げが特においしいのでから揚げも追加した)

後日名古屋に戻ってきてから、冒頭で話に出した居酒屋に行ったところ、昼メニューの中にアジフライ定食があった。関あじの姿造り定食と並べて書いてあったので、フライも関あじを使用している可能性がある。関あじというのは、大分県の佐賀関(さがのせき)で水揚げされるブランド食材だ。

――関あじか…。いつか現地でも食べてみたいな…――

そう思いながら、ぼくはその定食を注文した。

と、いうのがまた別の日本一周旅行の前日譚にあたるのだが、それはまた別の話だし、その途上で千葉県富津の黄金アジフライに再度アジフライ観を破壊されたりしたのも、別の話だ。


このページをかいたひと:藤盛仁輔

ライター。このサイトでは半年で日本二周したときに訪れた場所についてなどをかいています。

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