全都道府県一筆書き day1 愛知岐阜 20211228

岐阜駅から気動車に乗り換え

ぼくが旅に出る理由

いつのころからだろう。日本の都道府県を一筆書で一周してみたいと思うようになったのは。

結果としてなし崩し的に日本一周を「していた」2020年秋冬シーズン以降なのは間違いない。たぶん、2021年の春、「忘れ物を取りに来た」と言わんばかりに前年通らなかった都道府県を踏みに行ったのがいけなかったのだろう。

全ての点を通ることができるのであれば、一筆書が可能か確認したくなるのはこれもいきもののサガであろう。ゆえに、ぼくは全都道府県を一筆書で移動することにしたのである。

そうと決まればまずはルート取りだ。出発日の前日までチマチマと乗り換え案内を調べ続け、脳内ではもう日本三周から四周くらいはしてしまった。一通りだけ考えて終わりにすればいいものを調子に乗って色々と考えてしまった。

組み上がったのは机上の楼閣とでも言うべき代物である。こんなルートで移動するやつはあたまがどうかしている、そんな風にも思う。思うのであった、めでたしめでたしといかないのもいきもののサガか、なのである。構築された砂上の空論は身をもって証明しなければならない。

説明!

もう仮想空間上で何周もしたのだから今年は寝正月にしよう、そんな声も聞こえてくる。ぼくはその声を聞かなかったことにして無事に旅立つことにしたのである。判断力が無事ではない。

ぼくの判断力が無事であることの、あるいは無事でないことの証明として、一筆書のルールを書き出してみよう。

  1. 都道府県間の移動は基本的に鉄道を利用する。
  2. ある都道府県から出たらその都道府県には再度入ってはならない。
  3. 同じ都道府県の中の移動は、同じ駅を通らない限り特に制限しない。
  4. 一筆書はあくまでも「移動」の際に守れば良い。(観光のためにフラフラするのは構わない。以降これを観光モードと称する)
  5. 観光モードを発動した場合、発動箇所に必ず戻って移動を再開する。(次の都道府県まで観光を称して移動したりしない)(観光モードになって便のいい駅に行き、再開地に止まらない特急に乗ったりしない。再開地に止まる列車ならOK)
  6. 駅に降り立ったり、改札を出なくてもその都道府県を通った扱いにして良い。
  7. 北海道、四国、九州は鉄道のみの利用だと入ったら出られなくなってしまうので海路、空路での移動を認める(これらの都道府県以外においても使用して良い)。
  8. 海上、上空移動時にはどこの都道府県も「通った」扱いにはしない。(長い都道府県境を通っている扱いにする)
  9. 家に帰るまでが遠足なので、出発した都道府県に戻ってくる。

細かいことを書き出せばキリがないが大体そんなようなルールにしておけば一筆書が可能である。逆に言うと、これくらい色々例外を設けないと一筆書は成立しない。例外のほうが多い規則というのはこうして作られるのであろう(キメ顔でそう言った)。

これを読んだ人にはぜひとも自分の住んでいる都道府県からスタートして脳内一筆書にチャレンジしてみて欲しい。真面目にやろうとすると相当時間がかかるので暇潰しになること請け合いである。

長い前置きの後、やっと出発

この辺に住んでいる人はだいたい出発はここになる

そういうわけでいざ出発である。細かいことは省くが、今日はまあまあ遅い時間からの出発となった。ひとまず高山まで行くことにする。

あんなところが終点になるとは

関ヶ原行きの新快速!? ……そういうのもあるのか……。アナウンスでは大雪の影響で関ヶ原より向こうが不通になっているとのことであった。大雪で大変な人がいるのは承知しているし、ここが不通になったことで色々と面倒なことになっている人もいるとは思う。が。

ぼくとしてはなんか珍しいもん見たな、くらいの軽さである。幸先良いぜ、と言いたいところだが自分が予定しているルートがこうなってしまったら多分大騒ぎするに違いない。これもいきもののサガか。

ぎふのふを使用する珍しい地名

二駅で岐阜県に着いてしまった。どのタイミングから数えたものかは分からないが、愛知県内の乗車時間は約20分である。

かたやぎふのふを使用する珍しい県名であるところの岐阜県に入ってからは長かった。約3時間も乗車していた。

かまくらでも作ったのだろうか

そして到着したのが高山駅。日付は既にまたいでいる。寒い。足元は滑るし鼻が痛くなるくらい空気は冷たい。

歩道の錆び付いた自転車も凍えている

夜を過ごすのはインターネットカフェでいいと思っていたが、高山駅周辺にはそういうものは見つけられなかった。ホテルはいっぱいあるものの。駅で一晩過ごすなんてのは色んな方面から言って問題外なので、滞在時間は短くなるが大人しくホテルに泊まった。

ホテルには天然温泉の露天風呂がついていた。キンキンに冷えた空気の中に頭を出しつつ、身体を暖める。濡れた髪を触ると、冷たかった。湯気で曇ったガラスには氷が張っている。長く浸かっていたら、つらら頭になっていたかもしれない。

ナニナガの野望のような

このまま無事に移動できれば全て黄色に染まるという寸法である。うまくいくことを祈るばかりだ。


このページをかいたひと:藤盛仁輔

ライター。このサイトでは半年で日本二周したときに訪れた場所についてなどをかいています。

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